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HOSOO Research & Development Project vol.2
Ambient Weaving
環境と織物
- 会期
- 2021年4月17日(土)–2021年9月6日(月)
- 主催
- 株式会社 細尾・株式会社ZOZOテクノロジーズ
- 研究開発
- 株式会社細尾・東京大学筧康明研究室・株式会社ZOZOテクノロジーズ
株式会社 細尾は、2020年より東京大学大学院情報学環 筧康明研究室、株式会社ZOZOテクノロジーズとともに、伝統工芸と先端テクノロジーを組み合わせた機能性と美を両立する新たなテキスタイルの開発に関する共同研究を行なってきました。
“Ambient Weaving”とは、「環境情報を表現する織物」「環境そのものが織り込まれた織物」を指します。西陣織は、常に最先端の技術を取り込みながら発展してきました。本共同研究では、ZOZOテクノロジーズ、東京大学筧康明研究室が開発してきた先端素材やデバイスを、1200年の長きに渡り美を追い求める中で発展してきた西陣織特有の構造や意匠を持つ細尾のテキスタイルに織り込むことで、周囲の環境情報と織物を媒介する様々な機能と表現の両立を試みてきました。本展では、外部温度によって色彩が変化するテキスタイル、紫外線によって硬化するテキスタイルなど、これまでの研究成果をいくつかのプロトタイプ作品として発表いたします。
織物の歴史は、人類の歴史と同等に壮大なものです。歴史を振り返れば、織物とは、常に人類が環境と対話するなかで作り上げてきたものにほかならないことがみえてきます。植物繊維や動物繊維といった自然環境の素材による糸を織物に用いるだけでなく、いわゆる「草木染め」のように植物によって織物を染色するほか、こと日本においては、織物に花鳥風月といった自然のモティーフを扱うことが盛んに行われてきました。
現代の我々にとって、もはや手付かずの自然は身近ではなく、むしろ人工的に形成されてきた環境のなかでの生活が当たり前となっています。「人新世」と言われ、しばしば「自然」という概念そのものの見直しが議論される現代において、環境と織物の新しい姿とはどのようなものでしょうか。本展は、こうした問いを据えつつ、伝統技法の延長上に先端テクノロジーを捉え直すことで、織物の機能と意匠を両立した新たな表現や体験の拡張を試みます。そして、織物を通じ、現代における人間と環境のあり方を提示するものです。