CURRENT

The Mind Landscape

会期
2024年7月27日(土)-2024年10月13日(日)
開館時間
10:30–18:00
(祝日・年末年始を除く、入場は閉館の15分前まで)
入場料
無料
会場
HOSOO GALLERY

この度、HOSOO GALLERYでは、「The Mind Landscape 」と題した展示を公開いたします。

本展は、2024年4月、ミラノデザインウィークにて発表されたHOSOOの新作テキスタイル・コレクション「The Mind Landscape」を紹介するものです。心象風景を意味する「The Mind Landscape」コレクションは、イタリアの著名な建築家でありデザイナーであるミケーレ・デ・ルッキ率いるスタジオAMDL CIRCLEとHOSOOの協業のもと制作されました。

本新作テキスタイル・コレクションは、自然に対するミクロとマクロの視点を融合し、テキスタイルとして再構築したものです。特に自然の中でも樹木が重要なモチーフとなっています。樹木は、大地から水を吸い上げることで成長し、その花は虫や鳥に蜜を与え、果実は動物を養い、葉は落葉すれば大地の土壌を豊かにします。このように樹木は生命循環を支える生態系の支柱の一つです。一方で、樹木は、工芸や建築をはじめ、さまざまな人間の創作活動に素材として用いられてきました。「The Mind Landscape」コレクションは、樹木に対する拡大写真と衛星写真を融合し、4つのモチーフから展開しています。これらの複層的な視点の融合は、樹木という素材の本質的な美しさを見極める職人の眼差しでもあります。またコレクションでは、職人の創造性によって天然繊維を用いた織物として構築することで、新たな心象風景を描き出しています。

本展では、新作テキスタイルのほか、制作プロセスで重要なモチーフとなったオブジェクトや写真を紹介するとともに、本コレクションに関連する樹木や自然、環境にまつわる書籍を選書し公開します。「The Mind Landscape」コレクションは、樹木というモチーフから新たな自然の美を創造することにより、樹木が持つ複雑な表情やその役割、また自然循環の豊かさを多様な視点で捉え直しています。

主催:株式会社 細尾
展示コンセプト:AMDL CIRCLE
空間構成:SUO
音響制作:近藤忠
リサーチ・選書:原瑠璃彦
展示協力:井高久美子
ディレクション:細尾真孝

写真:田中恒太郎
宣伝美術:森田明宏

PROFILE

AMDL CIRCLE

AMDL CIRCLEは、ミケーレ・デ・ルッキによって設立された多角的、ヒューマニスティックなアプローチで国際的に知られるスタジオである。建築、インテリア、プロダクト、コミュニケーションなど、さまざまな分野で表現力豊かで戦略的なプロジェクトをクライアントに提供している。建築家、デザイナー、職人からなるAMDL CIRCLEのチームは、公共機関や民間企業のプロジェクトに携わり、インテーザ・サンパオロ、ドイツ銀行、ユニクレディトなどの大企業とのコラボレーションや、ベルリンの新博物館、ミラノ、トリノ、ナポリのイタリア・ギャラリーなど建築や展示のシステムを手がけている。また、ミラノを拠点とするこのスタジオは、アレッシィ、アルテミデ、カッシーナ、エルメス、ポルトローナ・フラウ、ユニフォーなどの空間、プロダクト、家具のデザインも手がけている。

Founder:ミケーレ・デ・ルッキ
Managing Director:アンジェロ・ミケーリ
Deputy Managing Director:ダヴィデ ・ アンジェリ

ミケーレ・デ・ルッキ

1951年、イタリア生まれ。前衛的なデザイナー集団「メンフィス」の主要なメンバーとして知られている。ヨーロッパの有名企業の家具デザインを手がけ、1988年から2002年までオリベッティ社のデザイン・ディレクターをつとめる。イタリア国内外で公的機関、民間企業、美術館や文化施設など多数の建築プロジェクトを実現。2000年、イタリア共和国オフィサーに任命された。2001年にはヴェネチア建築大学の教授に就任、2006年にはキングストン大学より名誉博士号を授与された。2008年には、ミラノ工科大学デザイン学部の教授に就任、ローマの芸術家協会アカデミア・ディ・サン・ルカのメンバーにもなっている。2018年には、新しい「ドムス」誌のゲストエディターを務めた。2022年にコンパッソ・ドーロ・アワードを受賞。2024年には、フィレンツェ美術学校のアカデミー会員に任命されている。またデ・ルッキは、AMDL CIRCLEの創設者であり、現在もメンバーとして活動を続けている。

HOSOO

元禄元年(1688年)、京都西陣において大寺院御用達の織屋として創業である。京都の先染め織物である西陣織は1200年前より貴族をはじめ、武士階級、さらには裕福な町人達の圧倒的な支持を受けて育まれてきた。HOSOOは今、帯やきものといった伝統的な西陣織の技術を継承しながら、革新的な技術とタイムレスなデザイン感性を加えることによって、唯一無二のテキスタイルを生み出し、国内外のラグジュアリーマーケットに向けて展開している。