RESEARCH

HOSOO STUDIES STATEMENT

京都では、平安京の時代以来、およそ1200年にわたり織物の技術が発展してきました。京の地には世界のすぐれた織物が到来し、職人たちはそれを研究することで、日本なりの織物を開発してきた歴史的背景があります。

西陣織にはその最高峰の技術が凝縮されており、時代とともにこれまで様々な発展を遂げてきました。明治時代におけるジャカード織機の導入に代表されるように、テクノロジーの進化を受け、そのあり方も変化してきました。

人間と布の歴史は壮大です。
遥か昔から、人間は布を身に纏って生きてきました。
布とは、人間にとってもっとも身近で根源的な事物と言えます。
布の歴史とは、人間の歴史であり、また、テクネー(技術・芸術)の歴史でもあります。

今日、様々な新しいテクノロジーが発展するなかで、布をキーワードに人間とは何かを問い直すことができるのではないでしょうか。
布の起源とは何なのか。布の製作を支えるテクネー、その背景にある思想とは何なのか。
人間は布にどのような機能を託してきたのか。
布をめぐる問いは、多方面に広がります。

これらの問いを突き詰めてゆくために、HOSOO STUDIESでは、膨大な布の歴史の研究とともに、新しい布の開発を行ってゆきます。

過去と未来、伝統と現代、研究と開発(R&D)の両面のアプローチとともに両者をつなぐ人文学的・哲学的知を培い、HOSOO STUDIESでは「人間にとって布とは何か」という問いに立ち向かってゆきます。

コアメンバー

  • 細尾真孝(ディレクション)
  • 原瑠璃彦(リサーチ・キュレーター)
  • 井高久美子(キュレーター)